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事業再生

1 事業再生とは
 事業再生とは、事業者が債務超過や資金繰りが困難になった場合に、そのまま会社を清算するのではなく、債務の一部免除やリスケジュールを行いながら、事業を再構築することをいいます。

2 事業再生の意義
(1)雇用の確保
 中小企業は、わが国の労働者約4300万人中2830万人(66%)を雇用しており、中小企業を守ることは、雇用を確保することにつながります。
(2)取引先の保護
 また、中小企業が倒産すると、取引先企業としては売掛金が回収できなくなってしまうことはもちろん、今後の取引の機会を喪失してしまうことになるので、中小企業を守ることは、取引先の保護につながります。
(3)地域経済の下支え
 さらに、中小企業は、全企業数約421万社のうち約420万社(99.7%。)を占め、中小企業を守ることは地域経済の下支えにつながります。

3 船﨑法律事務所の取り組み
 事業再生は、民法・商法・会社法・破産法・民事再生法・労働法といった会社法務の高度な知識はもちろんのこと、税務・会計、経営理論、マーケティング、労務・人事といった広範な知識が必要とされる分野です。
 当法律事務所は、社会・経済に関わる分野に積極的に取り組んでおり、事業再生は、当法律事務所の特色を最大限に発揮できる分野のひとつです。当法律事務所は、複数の民事再生申立を含む、中小企業の事業再生に成功し、県下有数の実績を積み重ねています。

4 経営革新等支援機関
 当法律事務所は、「中小企業経営力強化支援法」に基づく「経営革新等支援機関」に認定されていますので、弁護士費用の補助制度をはじめ各種助成金等をご利用になれます。



事業再生の手続
1 狭義の私的再生
 私的整理のうち、第三者を介在させずに、債務者および債権者間での話し合いによる合意に基づいて事業再生を行うことをいいます。

2 私的整理ガイドライン
 私的整理ガイドラインによる「私的整理」は、会社更生法や民事再生法などの手続によらずに、債権者と債務者の合意に基づき、債務(主として金融債務)について猶予・減免などをすることにより、経営困難な状況にある企業を再建するためのもので、多数の金融機関等が後述の主要債権者または対象債権者として関わることを前提とするものであり、私的整理の全部を対象としていない限定的なものです。

3 中小企業再生支援協議会
 中小企業再生支援協議会は、産業活力再生特別措置法41条に基づき、中小企業再生支援業務を行う者として認定を受けた商工会議所等の認定支援機関を受託機関として、同機関内に設置されています。

4 事業再生ADR
 事業再生ADRとは、経営危機に至った企業が、民事再生法や会社更生法の申立てによる法的手続に替え、中立な第三者機関であるADR事業者の手によって、債権者・債務者間の話合いをもとに自主的な整理手続によって問題解決を図ること、もしくはその手続のことです。

5 特定調停
 特定調停手続というのは、債務の返済ができなくなるおそれのある債務者(特定債務者)の経済的再生を図るため、特定債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を行うことを目的とする手続です。

6 民事再生
 経済的に苦しい状況にある法人等が、自ら立てた再建計画(再生計画)案について、債権者の多数が同意し、裁判所もその計画案を認めることにより、債務者の事業や経済生活の再建(再生)を図ることを目的とした手続です。

7 会社更生
 会社更生手続とは、経済的苦境に立たされた株式会社(会社更生手続を利用する株式会社を「更生会社」といいます。)の経済的更生を図ることを目的とする制度です。民事再生手続と異なり、更生会社の財産に関する管理処分権は、裁判所が選任した管財人が有することになり、更生会社が経済的更生を図るための更生計画案も、原則として管財人が作成することが予定されています。



事業再生の手法
1 減増資
 減増資とは、既存株式を消滅させると同時に第三者割当増資により新株式を発行することで株式の入替えを行うことをいいます。ほとんどのケースで100%減増資を行うため、法的整理手続き中の会社はこれによりスポンサー会社の子会社となります。

2 会社分割
 会社分割とは事業の全部または一部を包括的に他の会社へ承継させる組織法的行為のことを言います。会社分割には新設分割と吸収分割の2種類があります。新設分割は新たに設立する会社に事業を承継させるもので、吸収分割は既存の他の会社に承継させるものです。

3 事業譲渡
 事業譲渡とは一定の営業目的のため組織化された有機的一体として機能する事業の譲渡をいいます。

4 第二会社方式
 会社分割・事業譲渡後の旧会社を消滅させる場合を、「第二会社方式」といいます。

5 デット・エクイティ・スワップ(DES)
 DESとは、Debt Equity Swap(デット・エクイティ・スワップ)の略であり、債務を株式に転換するという再生手法です。

6 デット・デット・スワップ(DDS)
 DDSとは、Debt Debt Swap(デット・デット・スワップ)の略であり、既存の債権を劣後債権に転換するという再生手法です。金融機関がDDSに取り組むためには、金融庁の金融検査マニュアル上の「資本的劣後ローン」の要件を充たす必要があります。

7 債務免除
 債務免除(債権放棄)とは、金融機関が債務者たる中小企業への貸付金債務を免除することにより、企業のキャッシュ・フローおよび財務内容を改善させるという再生手法です。

8 リスケジュール
 リスケジュールとは、金融機関等からの借入金の返済条件を変更して、分割返済額の減額や元本返済猶予(利息のみの支払)期間を置くことなどにより、債務者のキャッシュ・フローを改善させるものであり、私的整理の手法としては、最も頻繁に行われているものです。


船﨑法律事務所の民事再生申立ての実績
1 株式会社雲田写真館(新潟県妙高市)
  平成24年4月16日 再生計画認可決定
  事業譲渡型

2 新潟城南電器株式会社(新潟県妙高市)
  平成24年12月25日 再生計画認可決定
  収益弁済型

3 株式会社糸西トーフ(新潟県糸魚川市)
  平成25年7月9日 再生計画認可決定
  事業譲渡型

4 石山味噌醤油株式会社(新潟県新潟市)
  平成27年7月21日 再生計画認可決定
  収益弁済型

5 有限会社エス・エヌファーム(新潟県上越市)
  平成27年9月14日 再生計画認可決定
  収益弁済型

(いずれも官報公告済み)


船﨑法律事務所の私的再生の実績
1 株式会社青蔵屋(群馬県榛東村)
  事業譲渡を用いた第二会社方式

2 上越青果株式会社(新潟県上越市)
  会社分割を用いた第二会社方式

3 株式会社マ印神内商店(北海道標津町)
 会社分割を用いた第二会社法式

4 株式会社ニシムラフーズ(福岡県宇美町)
 会社分割を用いた第二会社方式
 福岡県中小企業再生支援協議会

5 有限会社山西牧場(茨城県坂東市)
 会社分割を用いた第二会社方式
 地域経済活性化支援機構(REVIC)

6 株式会社アイエヌテック(新潟県柏崎市)
 会社分割を用いた第二会社方式
 新潟県中小企業再生支援協議会

(いずれも報道済み)


参考文献
「中小企業事業再生の手引き」
 日本弁護士連合会日弁連中小企業法律支援センター編
「中小企業のための金融円滑化法出口対応の手引き」
 日本弁護士連合会日弁連中小企業法律支援センター編
「中小企業再生への経営改善計画」中村中著
「経営改善を支援する企業再生の教科書」
 小泉正明、栗原千亜希著
「企業再建・再生マニュアル」
 中央青山PwCコンサルティング株式会社、株式会社日本ビジネスサポート編
「企業再生マネジメント」安田隆二著
「民事再生QA500【第2版補訂】」
 企業再建弁護士グループ編


新潟県上越市鴨島1-230-1
  船崎法律事務所 弁護士 船崎昌幸  (旧字体:船﨑法律事務所 弁護士 船﨑昌幸)





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